お問い合わせはこちらまで

電話

0467-84-9111

メール相談(24H)

無料相談窓口

結局受け口の治療はいつから始めるのがよいのか?(前編)|鎌倉駅より徒歩2分のドクタービーバー小児歯科・矯正歯科

ドクタービーバー小児歯科・矯正歯科
ドクタービーバー小児歯科・矯正歯科へのお問い合わせ

結局受け口の治療はいつから始めるのがよいのか?(前編)|鎌倉駅より徒歩2分のドクタービーバー小児歯科・矯正歯科

ドクタービーバー小児歯科・矯正歯科
ドクタービーバー小児歯科・矯正歯科へのお問い合わせ

結局受け口の治療はいつから始めるのがよいのか?(前編)

先日、小学校高学年の受け口の子どもとそのお母さんが矯正相談にいらっしゃいました。話をお聞きしたところ、これまで数件の歯科医院に相談行ったそうです。

1軒目の歯科医院では治療はまだまだ間に合うからもう少し待った方が良いと言われ、2軒目の歯科医院では直ぐに治療を行った方が良い、3軒目では骨格的な不正が大きいから成長終了を待ってから治療を行った方が良いとの見解…。「3軒とも全く異なる事を言われて頭が混乱している。先生、どれが本当なんですか?」とお母さんに詰め寄られ答えに困りました。

矯正治療における相談の意味

矯正における初診相談では初見から得られる情報や問診事項などを総合し、診ているドクターのこれまでの経験則に基づいてお話しているため、その時に得られた情報の量などにより初見の見解に差が出ることがあります。ましてきちんとした精密検査を行っているわけではありませんので、得られない情報も多々あります。私も実際に検査をしてみると相談の時には気付かなかった情報をレントゲンやその他の資料から発見することがあり、相談の時にお話していた方針から内容が変わることがあります。

例えば下の症例は初診相談時、単に凸凹歯を主訴にいらっしゃったので前歯を排列するだけの方針でお話ししていました。しかし実際に検査をしてみると、レントゲン上でまだ生えていない犬歯の向きが斜めになっており、このままでは正常な位置に生えてこないばかりか、場合によっては他の永久歯の根を侵食する可能性が考えられました(図1〜3)。

図1

<図1>

図2

<図2>

図3

<図3>

結果的に歯列の拡大を最初に行い、レントゲンによる犬歯の向きは逐次確認することにし、拡大だけでは方向が変わらなかった場合は切開し犬歯を露出させた上で方向を変える処置が必要になるとの方針を診断時にお話しました。ですので、検査をして詳しい情報を頂けた状態で聞く診断が一番確実な情報を得ることができるでしょう。

そうは言っても何回も検査を受けるのは大変ですし、それだけお金がかかってしまいますので、私のこれまでの経験則から矯正治療の始め時についてお話してみようとおもいます。

受け口を悩んでいるなら早めに診せよう

まず確実に言えるのは「受け口を悩んでいるなら早めに相談をした方が良い」です。できれば小学校低学年のうちまでに相談に来てもらえると助かります。なぜかというと、受け口の場合は上あごの骨の成長がカギとなることが多く、その成長は9~10歳頃には大部分を終えるからです。

受け口の成長のパターン

受け口には大きく分けて2つのパターンがあり、上あごの骨(上顎骨)の成長が弱い場合と下あごの骨(下顎骨)の成長が強い場合があります。前者の場合は上顎骨の成長を促す治療が求められます。なので上顎骨の成長が旺盛な時期、小学校低学年までには治療を始めておきたいのです。

後者の場合は下顎骨の成長を抑制する事が求められますが、実際の治療においてそれが行われることは少ないです。なぜなら下顎骨の成長は第二次成長の時期に旺盛になります。下顎骨は腕や足の長い骨(長管骨)の一種で身長の伸びにリンクしてきます。第二次成長は身体の成長全体から考えても2番目に大きく(一番大きな成長は新生児期に起こる成長)、今後大きくなってくる下顎骨にあらかじめ成長を抑制する治療方法に限界があります。

もちろん受け口の程度やその他の条件により治療法は単一ではありません。次回は条件別に受け口の治療法を整理し、特に注意が必要な場合についても解説したいと思います。